幸せを追い求めると「不幸」になる?
こんにちは。精神科ナースのまさです。
私は普段から「ウェルビーイング」や「心の健康」などを発信しているわけなんですが、常にそんなことを考えているかと聞かれると、実はそうではないんです。
はじめの方は「どうやったら幸せになれるのか」ということばかり考えておりましたし、私が精神科の看護師をしようと思ったのも「心の健康」に携わることで、幸せのかたちが見えてくるのではないかと期待したからなんです。
しかし、アメリカの心理セラピスト Amy Morinさんは
「幸せは常に追求するものじゃない。幸せを追求しすぎると逆に不幸になるという研究結果が出ているからね。」といいます。
この幸せを追求しすぎると逆に不幸になるサイクルを「不幸の踏み車」と名付けています。
幸せがすぐそこにあると期待しながら進んでいくけど、現実はそんなにすぐには実感できるほど変わらないため、理想と現実のギャップが大きくなるんですね。
私自身、海外での生活や精神科に移ったばかりのときには、毎日しんどい思いをしていましたし「こんなはずじゃなかった。」「もっと充実した感覚が得られるものだと思っていた」と感じることが多かったです。
これは「海外生活=充実」や「自分が選んだ道=充実感」につながると期待していたからですね。しかし期待とは裏腹に現実は厳しく、あまり充実感は得られなかったので、なおさら「幸せになる方法」について毎日調べていました。
いま思えば、しっかりとこの「不幸の踏み車」を踏んでいたんですね(笑)
そんななかで、このサイクルの記事を読んでハッと気づかされたんです。
ではこのサイクルを抜け出す方法としてどうすればよいのでしょうか。
この疑問に対して心理学者Paterson氏は
「今よりも不幸になる方法を考える」ことを提案しています。
実際に深刻な抑うつ患者のグループにこの方法を試すと「幸せになる方法」についてはまったく意見がでなかったことに対して「今よりも不幸になる方法」についてはどんどんと意見が出てきました。それにより実は今の自分はそこまでひどくないことに気付けたり、どうすればその不幸を避けられるかなど現実的な思考ができるようになったのです。
これは実際に普通の人にも応用できるとPatersonさんは話しております。
この方法によって、意外と身近な「当たり前」が実は「当たり前じゃない」ことに気が付けるのではないでしょうか?
みなさんもぜひ試してみてください。そしてやってみた感想やコメント等も頂けると嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
私個人への相談等も承っておりますので、お気軽にどうぞ~