精神科ナースがウェルビーイングについて考えるブログ

現役精神科ナースが「よりよい人生」について考え、共有します。

お酒がもたらす2つのメリット・デメリット


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こんにちは。精神科ナースまさです。

 

前回は少しアルコール依存症患者さんのお話をさせていただきました。

でも実際にお酒ってメリットもあるんでしょう?」というお話をいただいたので

今回は「お酒あなたにが与える影響」についてお話していきたいと思います。

アルコール耐性は人によって大きく異なりますので、参考程度に読んでもらえると嬉しいです!

 

また、お酒の種類(ビール、ウイスキー、日本酒など)は問わず、あくまでもアルコールが与える良い影響と悪い影響をお話していきます。

(ビールならプリン体が多く含まれているから痛風になりやすいとかは、お酒の種類の種類によるので、今回は入れません)

 

ではいってみましょう!

 

 

良い影響

ストレスの軽減

お酒を飲むことで気分が、大きくなる経験はみなさんも感じたことがあるのではないでしょうか?

これは大脳新皮質という理性をコントロールする部分の働きが弱くなり大脳辺縁系という本能や感情をコントロールする部分の働きが活発になるからなんです。

これによって、本能や感情が表に出やすくなるので、自分らしさがでやすくなるので普段から抑えているストレスが発散されやすくなります。また、仲の良い人たちと飲むことで、オキシトシン=「人とのつながりを感じたときにでる幸福ホルモン」もでますので、ストレス軽減になります。

人間関係が円滑になる

これはコロナが流行し始めた現代ではなかなかありませんが、やっぱり仕事の付き合いや会合でお酒を飲むことで親睦が深まったりすることが多いです。アルコールは脳の神経に作用しますので、お酒が入ることで気を許すことができることにつながったりします。

 

悪い影響

やっぱり体には良くない

アルコールは肝臓で、アセトアルデヒド(有毒)二酸化炭素(CO2)と水に分解されます。このアセトアルデヒド自体も人体には有毒で、飲酒量や個人差にもよるのですが、この反応で頭痛動悸顔が赤くなったり、二日酔いを起こします。

また、肝臓は脂肪も分解するのですが、アルコール分解中は脂肪は分解しませんので、肥満の原因にもなります。

たしかに適切な飲酒量なら問題はないのですが、アルコールの性質上、ちょうどいいぐらいでやめるのが難しいのが現実です。

睡眠の質が落ちる→脳が休まらない

アルコールで入眠はしやすくなる方も多いと思います。

しかし、アルコールには深い睡眠の時間を減らしたり、無くしたりする作用があることが分かっています。これによって本来、深い睡眠のときに休むはずの脳が休めなくなりますので、脳が徹夜することになっちゃいます。

脳が休まらないと、必然的に仕事や勉強・生活の質は落ちますので高いパフォーマンスを発揮するのは難しくなります。

お酒を飲んだ翌日は集中力が落ちたり、なんだかボーっとしたりすることがあると思いますが、これはお酒によって脳が休めていないことが原因になります。

 

飲みすぎは最高に体に悪い

いままでのメリット・デメリットはあくまで「適切な飲酒量」を想定しています。

それ以上になると、メリットはひとつもなくなりデメリットだらけになりますので、サクッと列挙しておきますね。

・人間関係や社会的トラブルへ発展しやすくなる

・脳の萎縮を早める

・肝臓がダメージをうけて、気が付いた時には肝硬変・肝臓がんになっている

・すい臓がんのリスク増加

・年単位の不眠

うつ病、自殺率の増加

などなど

 

じゃあ適切な飲酒量って??

「節度ある適度な飲酒として、1日平均純アルコールで20g程度である。

というのが厚生労働省の定めるガイドラインになります。

飲酒のガイドライン | e-ヘルスネット(厚生労働省)

 

純アルコール20gというのは大体

「ビール中ビン1本」

「日本酒1合」

「チュウハイ(7%)350mL缶1本」

「ウィスキーダブル1杯」などに相当します。

みさんが普段飲まれている量と比較して、どうでしょうか?

以前、新聞を見たときに法律で「お酒には純アルコール数を記載する」ことが義務付けられるようになるとのことなので、より分かりやすくなりますね!

 

まとめ

お酒との付き合い方は今や義務教育となっています。

みなさんも節度のある飲み方で、お酒を楽しんでいただきたいと思います。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

私個人への相談等も承っておりますので、お気軽にどうぞ~ 

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