精神科ナースがウェルビーイングについて考えるブログ

現役精神科ナースが「よりよい人生」について考え、共有します。

3つの幸せのホルモンと休日の過ごしかた

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こんにちは。精神科ナースまさです。
 
脳科学では、人が幸せを感じるときには特定の脳内物質が分泌されることが判明しています。その物質は100種類以上あると言われているのですが、実は日常でよく使うのはだいたい3種類で、しかも自分たちの行動次第でコントロールできるんです!
それぞれ異なるシチュエーションで分泌されますので、今回は「3つの幸せのホルモンと休日の過ごし方」についてお話していきます!
  •  幸福の代表的なホルモン
  • 幸福の優先順位は?

 

 幸福の代表的なホルモン

1.ドーパミン→なにか新しいことをしようとしたり、報酬が得られることを期待するときに分泌。

2.オキシトシン→動物や人との触れ合いによって分泌。
3.セロトニン→朝日を浴びたり、リズミカルな運動によって分泌。
(そのほかにもエンドルフィンもあるのですが、これは痛みの抑制のために分泌されるので割愛します)
 
これらが分泌されることで人は心地よささ幸福感が生まれることが分かっています。

幸福の優先順位は?

 さて、みなさんがイメージする「幸せ」はどれに属していましたか?

ここで多くの方はドーパミン的幸福をイメージされるそうです。
 
しかし、ドーパミン的幸福は瞬時に自覚できるものの持続時間が短く、条件付きであるため、分泌の引き金となる行為に依存しやすくなってしまいます。また耐性がついてくるので「もっと、もっと」という想いが強くなり歯止めが効きづらく、生活に支障をきたしてしまうことで依存症となってしまいます。それがアルコールやギャンブル、買い物などの依存症につながってしまいます。逆にでなくなってしまうと、なにもする気が起きず抑うつ状態になってしまうので、出すぎても出なさ過ぎても支障をきたしやすいのです。
 
持続時間が長い順番は セロトニンオキシトシン>>>ドーパミン
であり、世界幸福度ランキング4年連続1位のフィンランドでは多くのひとが
セロトニン的幸福オキシトシン的幸福を大切にしていることが分かっています。

幸せを追い求めると「不幸」になる?

こんにちは。精神科ナースのまさです。

 

私は普段から「ウェルビーイング」や「心の健康」などを発信しているわけなんですが、常にそんなことを考えているかと聞かれると、実はそうではないんです。

はじめの方は「どうやったら幸せになれるのか」ということばかり考えておりましたし、私が精神科の看護師をしようと思ったのも「心の健康」に携わることで、幸せのかたちが見えてくるのではないかと期待したからなんです。

しかし、アメリカの心理セラピスト Amy Morinさんは

幸せは常に追求するものじゃない。幸せを追求しすぎると逆に不幸になるという研究結果が出ているからね。」といいます。

この幸せを追求しすぎると逆に不幸になるサイクルを「不幸の踏み車」と名付けています。

幸せがすぐそこにあると期待しながら進んでいくけど、現実はそんなにすぐには実感できるほど変わらないため、理想と現実のギャップが大きくなるんですね。

私自身、海外での生活や精神科に移ったばかりのときには、毎日しんどい思いをしていましたし「こんなはずじゃなかった。」「もっと充実した感覚が得られるものだと思っていた」と感じることが多かったです。

これは「海外生活=充実」や「自分が選んだ道=充実感」につながると期待していたからですね。しかし期待とは裏腹に現実は厳しく、あまり充実感は得られなかったので、なおさら「幸せになる方法」について毎日調べていました。

いま思えば、しっかりとこの「不幸の踏み車」を踏んでいたんですね(笑)

そんななかで、このサイクルの記事を読んでハッと気づかされたんです。

 

ではこのサイクルを抜け出す方法としてどうすればよいのでしょうか。

 

この疑問に対して心理学者Paterson氏は

今よりも不幸になる方法を考える」ことを提案しています。

実際に深刻な抑うつ患者のグループにこの方法を試すと「幸せになる方法」についてはまったく意見がでなかったことに対して「今よりも不幸になる方法」についてはどんどんと意見が出てきました。それにより実は今の自分はそこまでひどくないことに気付けたり、どうすればその不幸を避けられるかなど現実的な思考ができるようになったのです。

これは実際に普通の人にも応用できるとPatersonさんは話しております。

 

この方法によって、意外と身近な「当たり前」が実は「当たり前じゃない」ことに気が付けるのではないでしょうか?

 

みなさんもぜひ試してみてください。そしてやってみた感想やコメント等も頂けると嬉しいです。

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子供が「いじめ」にあっていたら?

こんにちは。精神科ナースまさです。

 

今日は少し雑談と言うか、ちょっっとだけ相談された内容と私の考えをシェアできたらなぁと思います。

 

予防線を張るようで恐縮ですが、精神科看護師である私個人の見解であり、スクールカウンセラーでもなんでもありませんので、ご了承ください。

 

今回、相談いただいた内容は

自分の子供がいじめにあっているみたいで、学校を休んでしまいました。どんな風に関わればいいのでしょうか?

ということでした。

親としてさぞ悩まれたのでしょうし、お子様も本当につらいでしょう。私自身も中学校のころにいじめにあって登校拒否をしていた時期がありましたので、お子様に非常に共感できる部分がございます。

 

まず関わり方としては、お子様がそのことを親に言えた所を褒めてあげるところから始めましょう。自分がいじめられていると発信することは、たとえ親であろうと大変に勇気のいることです。そして、世の中には大人でも子供でも、周りにつらいことを打ち明けられずに自殺を選んだり、限界を超えて頑張ってしまいある日突然に心が壊れてしまうこともあります。周りの人からしたら「突然に」と感じるかもしれませんが、実際はずっと以前から蓄積していて、それが限界を超えることでなるので、本人の中では突然でもなんでもないんです。それを打ち明けることが出来たのですから、まずそこに感謝を述べることで、お子様は一人じゃないと感じることができるでしょう。

 

次に「普段通り」を心がけましょう。これは正直、もともとどのように子供と関わっていたかによって良し悪しがあるので、ケースバイケースではあるのですが、腫れ物のように扱ったり、ましてや学校に行くことを急かすなどするのは逆効果です。普段通りに関わり、一緒にティータイムでも設けて話しやすいタイミングで話してもらうと、お子様も本心を伝えることができ、良いガス抜きになるでしょう。

 

そして、学校の方にスクールカウンセラーか担任の先生とお話できる機会を作れるように打診しましょう。子供のいじめる側は家庭環境に問題があることが多く、子供だけに注意をしても改善しない、もしくは反発して悪化することが多いそうです。ですので、お子様同士だけの問題と思わずに、周りの大人みんなが向き合っていくことが大切です。

 

今の時代は学校に行かなくても生計を立てていく方法は多く、あとからやり直しが効きやすい時代にもなってきていますので、この際に自分の好きなことや将来やってみたいことなどのポジティブな計画立案をおすすめするのもいいでしょう。

正直に申しまして、親が子供にできることは「環境をつくること」以外にそんなに多くありません。なにかを強制することも逆効果であることが多いので「いつでも見守っているから、安心して相談してね」という姿勢を示していくことで、お子様の次に進む力を支援していくことが大切になります。

 

いじめはデリケートな問題で、非常に解決が困難である一方で、お子様の今後の人生を左右する恐れもあります。だからこそ、親御さんやお子様だけで抱えるのではなく周囲と相談してくのが肝要です。

 

「いじめ」はとっても辛いことであり、だれ一人幸せにならない最悪の行為です。私はこの最悪の行為が一刻も早くなくなることを心から願っております。

 

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怒りのコントロール  ~アンガーマネジメント~

こんにちは!精神科ナースのまさです。

本日は「怒りの感情のコントロール」についてお話していきます。

 

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怒り」という感情は非常に厄介ですよねぇ。人間関係でトラブルが起きるのは「怒り」が原因であることがほとんどです。そして非常に強力であり、普段はおとなしそうな人や常識人でも、怒りに支配されてしまうと取り返しがつかない行動をとってしまうことも多いです。しかし、生きていくうえで一度も「怒り」の感情を持たずに生活するのは非常に困難ですし、上手に付き合っていく必要があります。

 

大小あるかもしれませんが、みなさんも怒りのコントロールで失敗したなぁと思うことはありませんか?

 

そこで今回は、怒りのコントロール(アンガーマネジメント)について簡単な方法を紹介していきます。

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人から「嫌われないようにする」より「好かれようとする」ほうがラクになる!

こんにちは。精神科ナースまさです。

 

名著「嫌われる勇気」で有名になったアルフレッド・アドラーは「すべての悩みは人間関係によるものである」と断言しています。実際に統計では悩みが「ある」と答えた人の9割は「人間関係」であることが判明しています。

どうしても会わない人はいるものなので、距離を置くかすればいいのですが、立場上そうはいかないことも多いですよね。

また、特定の誰かではなくとも職場や学校では嫌われないように振舞うことも多いのではないでしょうか。

「素の自分が出せなくて辛い」「ずっと自分を押し殺していてしんどい」などのように感じている方は大勢います。

 

まず、私から申させていただきたいのは

「人はみんな、それぞれの『仮面』をそれぞれの『状況』に応じて付け替えているものなので、それができているのは正常であり『あなたらしさ』なんですよ~。」

ということです。

会社では状況によって「上司」や「部下」といった仮面を付け替えている。お店に行けば「客」という仮面をつけて、家に帰れば「親」や「子」という仮面をつける。

それが「あなたらしさ」なんです。

 

しかし、やっぱりその仮面を付け替えて無理に嫌われないようにするのはしんどいですよね。

そこでおすすめなのが「キーパーソン」に「好かれようとする」ことです。

 

キーパーソン」は字の通りあなたの状況(職場や学校、家庭)にとって「重要な人」ということです。

例えば「仕事の采配をする直属の上司」になるでしょう。この場合、「めんどくさい同僚」はキーパーソンにならないので、置いておきます。

 

そして「好かれようとする」こと。

「好かれようとすることのほうが大変だ」と思われるでしょう。しかし、嫌われないようにするためには自分を押し殺さなくてはなりません。できる限り「平凡」でいるように努めなければなりません。つまり、マイナスをゼロにしようとする努力が必要です。しかも、平凡なんてものは存在しないので、何をすればゼロになれるかは不明瞭です。

一方で「好かれよう」とする場合は自分の得意なことやできること、考えていることを出していく必要があります。つまり自分のプラスの部分をアピールしたり伸ばしていく必要があります。

 

両者は似ているようで大きく異なります。そして、自分の生活がわくわくするのは圧倒的後者でしょう。

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不安を解決するには?



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こんにちは、精神科ナースまさです。

 

ストレス社会と言われ続けている現代で、「最近不安を感じていることがある人」は7割と言われています。しかし、この統計はコロナ前のものなので現在はもっと割合が増えていると思います。

不安の内容は「明日のプレゼンやテストが不安」という具体的なものから「なんとなく将来が不安」という抽象的なものまで様々あると思いますが、脳科学的にはその不安を解消する方法はたった1つしかないんです。

 

それは「行動する」ことです。

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